だが、そこへ
三人組の男が近づいてきた。
亮佑はとっさに夏祭りのことを
思い出して身構える。
「探したよ、花梨、花音」
「あ、陵介君!達也君!将暉君!
お姉ちゃん、こちらあたし達の友達で
大学生なの!とっても話が面白いし
頭もいいんだよ!」
そう言われて、一同が
三人の顔をよく見てみれば、
確かに年上っぽい感じだし、
それに悔しいが顔もいい。
そういう経路でお友達になったの?!
と円香は双子に聞いてみたくなったが、
今の自分の状況を考え自制した。
亮佑も、夏祭りの三人組とは
別人であると確認して、
少しホッとする。
直之は円香の目が♡になりはしないかと
ひやひやしてしまった。
「初めまして、新井 陵介です。
えっと、あなたが花梨と花音のお姉さん?
話には聞いてたけど、想像してたより
ずっと美人だね。よかったら、
花梨と花音と俺らと一緒に回らない?
あ、お友達と回るっていうなら
無理にとは言わないけど」
同じりょうすけ、という名前で
こんなに違うとは、と亮佑は肩を落とす。
直之も亮佑の心情を察したのだろう、
肩をポンポン叩いて同情した。
「あの、折角のお誘いですが
わたしは先約がありますし…、
遠慮させてもらいます」
「えー?!
お姉ちゃんノリ悪いー!」
「あたし達のこと、どうでもいいの?!」
花梨と花音が駄々をこね始める。
陵介とその後ろの二人がなだめるが、
ふんっと顔をそらしてしまった。
その姿が起こっている時の早苗に
そっくりだったので、陵介は同名の陵介に
少しだけ同情し、助け舟を出した。

