円香と早苗は、舞台が終わった後

残りの雑務を立石に押し付けて

早々に体育館を後にした。




「舞台の上から亮佑たち見えたね!」


「まぁ…っていうか、

菜々子さんが目立っていたというか」


「確かに…ファンクラブよりも

立石先輩LOVEって感じ出てたね。

ある意味目立ってたかも」



円香は亮佑の母と昨日初めて

対面したのだが、イメージと違いすぎて

本当にびっくりした。

ナツばぁちゃんに似て、おしとやかで

小悪魔的な感じの女性をイメージしていたが

真逆といってもいいほどの印象だ。

亮佑はきっと父親似に違いない。



「さ、亮佑と体育館の脇で

待ち合わせしてるから早く行こう!」


「いつの間に連絡とったの?」


「へへへっ。妬いた?」



ペシッと円香の頭に軽く一発きめて、

早苗と円香は体育館脇に移動した。