その後もばぁちゃんの影ながらの活躍で

菜々子は

「なぁんだ、全然お化けいないわね」

なんて軽口を叩く。




全然いないわけじゃない。

ただばぁちゃんが会わせないように

必死でフォローしていたのだ。




はぁ、疲れた…

お守りはすでに手元に4つある。

あと1つだけだ、さぁ頑張るぞと

ばぁちゃんが気合いを入れた、その時。




菜々子が5つめのお守りを見つけた。




はしゃぐ菜々子は、ばぁちゃんを置いて

ぐんぐん先に進んで行く。

必死に追いつこうとするが、

道が細く、さすがのばぁちゃんも

疲れていた。




「うびゃーーっ!!!」




それが40を過ぎた女の叫び声か…と

ツッコミたくなる気持ちを抑え、

ばぁちゃんは菜々子に駆け寄った。




菜々子は、真っ青な顔で

真っ青な顔の長髪の女と対峙していた。

額からは血が流れ、

女はフフフと不適に笑う。




さらに、暗幕の中から無数の

真っ白な手が出てきて、

菜々子に触れて暗幕の中に

引きずり込もうとしている。

菜々子は声にならない声で

悲鳴をあげている。

ばぁちゃんは恐怖よりもまず、

菜々子が武器を振り回さないか

ひたすら不安だった。




そして、最悪の事態が起きた―――。