早苗と円香が買い物を終え、

亮佑達と合流した。

帰る前にお手洗いに寄る。

特に後部座席組は入念だ。




亮佑が待っていると、

最初に出て来たのは円香だった。




「早かったな」


「ちょ…!女の子のトイレの時間まで

気にするタイプなの…?!」


「…違うけど」




女子はどこに地雷があるか分からない。




「あの…さ。早苗からは

首突っ込むなって釘刺されたんだけど…

直之と、何かあった?

俺あいつに、

"お前の顔を世界で1番見たくないんだ…"

って言われたんだけど」




円香は一瞬顔が曇った。

何か言いたげだったが、

言うべきか悩んでいる様子だった。

亮佑はどうすべきか考えあぐねて、

頭をポリポリ掻く。




「言いたくない訳じゃないけど…ごめん。

亮佑には、ちゃんと後で話すから。

頑張って解決させるから。

それまで待っててくれるかな?」


「…分かった。これだけは覚えてて。

俺が早苗のことで悩んでた時

相談に乗って貰ってたんだ。

だから、本気でやばくなったら

いつでも俺に相談しろよ?」




ぱぁっと明るくなった円香の表情に

亮佑もようやく安心出来た。




その後タイミングを見計らったかのように

早苗達も出て来て、行き同様

地獄の運転で家に戻った。