あーだのこーだの言いながら、
仲良くキャッキャと服を選ぶ。
そして、
「これキープ!」
「やっぱり戻す!」
「あれ可愛い!」
「こっちも可愛い!」
「「どっちも可愛い〜」」
の繰り返しである。
その度に亮佑は服を戻しに行ったり、
高い所にある鞄を取ってあげたり、
意見を求められたりした。
「いいんじゃない」
「すごけ似合うよ」
最高の逃げ言葉だ。
亮佑の意見を求めるくせに、
結局悩んで自分で決める。
それが女子というものだ…と
亮佑は自分に言い聞かせながら
こっち!あっち!それ取って!の
要望に、はいはいと答える。
菜々子とばぁちゃんが買い物を終え
2階に上って来る頃には、
亮佑は疲れ果ててベンチに座っていた。
女子2人は勿論まだ買い物中である。
「あらら。亮ちゃんお疲れだね」
「なんで女子って、恋バナと買い物は
あんなに元気いいんだよ……」
「亮ちゃんは分かってないわねー!
それが女の生きてる楽しみなのよ!
あたしも服買っちゃおうかなぁ」
「やめとけ…また父さんに怒られるぞ…」
菜々子は先日、冬用コートを衝動買いした。
そのお値段、3万円也。
亮佑の父は普段は温厚で滅多に
怒らないが、さすがに激怒した。
なぜなら、似たような物を去年買い
しかもまだ1度も着ていないのだ。
「えーっ」
「菜々子、あんた主婦でしょう!
主婦が無駄遣いしてどうするの」
「…主婦だってストレス溜まるのー。
いーじゃない、たまに服くらい買っても」
…だめだこりゃ。
ばぁちゃんと亮佑は、
同時にため息をつき、右手を額に置いた。

