ようやく2人が回復し中に入ると、
すでにカゴ2つをいっぱいにした菜々子が
ご機嫌でカートを押していた。
「この短時間で…」
「亮佑ママすごー…」
呆然と後ろ姿を見送る。
早苗とばぁちゃんは2人暮らしなので
カゴ1つで2週間は暮らせる。
円香の家も、カゴ1つあれば
1週間は何とか暮らせるだろう。
「やっぱ男がいると量が違うわ」
「でも、亮佑ってそんな食べるっけ?」
「俺さすがにあの量は無理だよ!
大体冷凍にしたり…腐って捨てたり」
「ぁあ…菜々子さん計画性がないタイプ?」
本人が聞いたら串刺しに
されそうな言葉である。
だがお構いなしに円香も続ける。
「ぁあ!だから亮佑も計画性ゼロなんだ!」
納得〜!と女子は勝手に盛り上がり
亮佑はその横で一人傷付いていた。
物理的攻撃の、数倍の威力だ。
「さて、あたし達は2階行こっか」
「服見よー!」
急に元気になる。
亮佑は"女子"の生態に驚きつつ
荷物持ち係として後に続いた。

