ひと騒動ありながらも、余裕でHR前にたどり着く。すると例の友達が鞄を置く花那の前にある空席に腰掛けた。 「花那、おはよー」 「おはよう、瀬戸口」 オトコマエな女の子と、モデル級イケメンの男の子が交互に朝の挨拶をした。 「おはよう、波月に矢柴君。今日もふたりとも仲いいね?」 幼なじみだという彼らは、幼稚園・小中高と合わせて3回しかクラスが離れたことがないらしい。そしてそれは自慢だとか。 黒木波月に矢柴慎吾。長年息の合った絶妙な掛け合いが面白いともっぱらの評判である。