彼女の細い人差し指が、俺の心臓辺りをくるくる円を描きながら這っている。Tシャツごしの彼女の体温が生々しく感じられて、イケないことをしているみたいで、気を落ち着かせるためにふぅーっと息を吐いた。

「4年あるよ。大学に入ってから卒業するまで。俺がどんな人間か見極めるのには十分だろう」

「…………うん」

「こんなおっさん嫌だと思ったら離れればいい。でももし――」

生暖かな柔らかいものが唇に触れた。にこっと微笑む彼女を見て、堪らなくなって、今度は自分から唇を重ねた。
何度も何度も唇を合わせて、しまいには舌を忍ばせて、淫らな水音が鼓膜を揺らして、彼女が疲れて目を瞑るまでずっとそうして溶け合っていた。