大丈夫なのだろうか。

彼女の姿が見えなくなって第一に考えたことがそれだった。

ぼんやりとした頭でドアを閉め、部屋に戻ろうて振り向く。

ちゃぶ台の上には小型ゲーム機が乗っている。彼女がいつもそれで遊んでいたものだ。

台所まわりは小綺麗に片付き、とても男の一人所帯とは思えない。

お茶を飲もうと冷蔵庫を開けると、プリンがいくつもストックされているのが視界に入る。

気づかなかったが、この部屋は女の子のシャンプーの匂いがほんのり漂っている。

いつの間にこんなにマーキングしたんだ。
そのくせ勝手に出てきやがって。

虚しさがふつふつと怒りに変わり、それを沈静化させるために深呼吸する。