「え、あ、冗談ですか」
「当たり前だっ!!俺が捕まっちまう」

ですよね、とにーちゃんは袋を俺に差し出してくる。

「お似合いだと思ったんだけど」

空耳だと思ってスルーしていたが、彼女の嫌そうな顔を見て空耳じゃないと気づいた。

なんともいえない気持ちという言葉がぴったり合う。嫌というわけではない。でも心から喜べない。

彼女がもう少しだけ……いや、なに考えてんだよ俺。嬢ちゃんはただの妹みたいなもんで、下手したら娘だし…。
でも、もし本当にそういう気があったら、ああ言われて嬉しいはずだよな。大丈夫。俺は正常だ。

「おっちゃん、疲れた?」
「―――え、あ、別に」
いつにーちゃんと別れて、いつコンビニを出たのか覚えてない。いつの間にやら俺は夜道を歩いていた。

「今日は早く寝るといいよ」
「そうだな。ありがとな」

俺より随分と背の低い彼女の頭に手を置いて、めちゃくちゃに撫でまわした。

いかつい俺の手は、小さな彼女の頭の上にのせるには少し不釣り合いだった。