銀の王子と天然姫




さてさて、ママの彼氏さんの子供はどんな人だろ。


ウチはピンポンを押してみた。


ガチャ


出てきたのは銀髪の不機嫌そうな男。



「朱亜……じゃなくて、桐生さんだよね??」



やる気なさげにそう聞いてくる銀髪。
でもどうして、最初にウチの名前、読んだのかな。



「事情は聞いてるから、入れよ。」



『あ…うん』



ウチは重い荷物を抱えたまま家の中に案内された。
銀髪くんの家はかなり広かった。
いや広すぎた。



『広っ。』



つい声に出た、心の声。


「あ??別にそうでもねーから。」



ダルそうに歩きながら、ウチが使う部屋まで案内してくれた。