「俺、透(とおる)っていうんだ。水族館でイルカの飼育担当をしていて…。だから、伯父さんからスーの状態を聴いた時、正直ダメだと……。でも、本当に生きていて良かった…。」 と言う、透さんは僕の事を心配してくれていた事が本当に伝わってくる。 僕と透さんは暫く、見つめあったまま黙っていた。 聴こえるのは打ち寄せる波の音だけだった。 僕はその波に身を任せていた。