一向に姿を現さないテルを探しに、2組の教室を覗く。
その中にテルの姿はなかった。
あたしは近くにいた同じ中学のフミヤに声をかけた。
「フミ。テル君知らない?」
「テル? なんか彼女から電話きて帰ったけど」
フミヤの言葉にあたしは急いでミユキの方を振り返った。
ミユキは初めて聞く事実に困惑しながらも、
無理やり笑顔を作ってフミヤに言った。
「そ、そうなんだっ!
教えてくれてありがとう!」
ミユキはそのままあたしの腕を引いて教室から離れた。
あたしはミユキに引っ張られながらも、心配になっていた。
トモヤも後を追ってきた。
学校を出ると、ミユキの足は止まった。

