週末になり、あたしはまたヒロキの元に向かっていた。

あれから2週間。


ヒロキが転校してから…1ヶ月が経った。


今では学校内は、ヒロキがいないのが当たり前になってて。

むしろ、最初からいなかったかのような雰囲気。

ヒロキは確かにいたのに。

たった2ヶ月だけど、あたしたちと一緒に、あの学校の生徒としていたのに。


駅で降りて、ヒロキの家へと向かう。

前に一度来たから、そんなに時間はかからずに行けた。


インターホンを押す手が妙に汗ばんだ。

ヒロキに…会えるんだ。

今度は嘘を言われても逃げない。

ちゃんとヒロキの想いを知りたいから。


あたしは意を決して、インターホンを押した。