「ヒロキ!!やめろ!!」


俺がいくら叫んでも、ヒロキは俺の手から逃れようと必死にあがいた。


「ヒロキ!!お前の気持ちは分かる!!だけど、殴ってどうにかなる問題でもねーだろ!?」


それでもヒロキはサクラを睨んだまま、懸命に暴れた。

俺は必死にヒロキを止めようと、腕の力を強めた。


サクラは笑みを浮かべたまま、俺たちを見つめている。


こいつ‥

自分が殴られそうになってんのに、なんでそんな態度でいられんの?

しかも、何考えてる?

ヒロキが自分を殴れるはずがない、そう思ってんのか?


その時、ヒロキの動きが止まった。


「トモヤ‥俺こいつが許せねぇ。許せねーんだよ‥だから離してくれよ!」


そう言ってまた暴れ出すヒロキ。

俺は必死に止めようとした。

その時。


「ヒロキ!」


声のした方を見ると、ナオが血相を変えて、こっちに向かって走ってきていた。