それからも、無言電話は続いた。

あたしが出た時には、“死ね”“消えろ”そんな言葉も言われる。

どうしていきなり、いじめがひどくなったのかは分からない。

あたし、サクラに何もしてない。


ヒロキには、相変わらず何も言わなかった。

自分のせいでいじめられてる、そうやって自分を追い込むだろうから。

つらそうなヒロキなんて見たくない。


あたしは電話でも、なるべく明るく対応した。

だけど、毎日の無言電話に、あたしの精神は疲れていて。

疲れは声にも出ていたらしい。


『ナオ? 何か元気なくね?』

「えっ? …ううん、元気だよ」


ごめんね、ヒロキ。

あたし本当は元気なんかじゃないよ。

疲れたよ。

サクラのいじめ、耐えられないよ。

助けて、ヒロキ…