“運命の赤い糸”



夏休みに入って1日目。


あたしは届いた手紙などを取りに、郵便受けを開けた。

手紙に混ざって、何やら1つの封筒が入っていた。

住所などはなく、

《安達ナオ様》

とだけ書かれた封筒。

どうやら直接ポストに入れたらしい。


裏を見ても、差出人の名前はなかった。

不気味に思いながらも、部屋に入って封筒を開けた。


すると、中に入っていた紙一面に“死ね”と書きつくされていた。


あたしは怖くなって、紙を丸めてゴミ箱に捨てた。


その時、いきなり家の電話が鳴った。

家にはあたししかいないから、仕方なく電話を取りに1階に下りた。

受話器を取って、耳に当てる。


「もしもし?」


相手は何も言わなかった。

そしてそのまま電話を切られた。