“運命の赤い糸”



「ナオ。もっと俺らに頼れよ。別に俺たちつらくなんてねーから。それが友達ってもんだろ?」


微笑みながら言うトモヤ。

あたしはミユキに抱きしめられたまま、笑顔で頷いた。


ミユキはあたしから離れると、涙で顔を濡らしたまま、微笑んだ。

あたしも笑顔になる。


ミユキもトモヤも、最高の友達だよ。

2人がいて本当に良かった。


その日、久しぶりに3人で遊びに行った。

久しぶりに心から笑えた。


ヒロキにも、本当のこと言えなくて。

“サクラからの嫌がらせはなくなった”

なんて、嘘ついて。

あたし、1人ぼっちだった。

ヒロキに本当のこと言えたらいいのに、心配かけたくなくて言えない。


そんなあたしを救ってくれたのが、ミユキとトモヤ。

2人がいたからこそ、頑張ろうと思った。


夏休みに入って、

サクラの嫌がらせもなくなると

そう思ってたのに。