“運命の赤い糸”



あたしは友達への被害を避けるために、1人で行動することが多くなった。

教室にいる時はさすがにサクラも嫌がらせはしない。

だけど、学校内ですれ違えば絶対にあたしに何かをしてくる。


友達に何かされるのだけは嫌だった。


そんなあたしの心を察したのか、離れていくあたしを誰も止めなかった。

その代わり、たくさんメールや電話をくれた。

みんなの温かさが嬉しかった。


もちろん、ミユキやトモヤとも距離を置いた。

元々違うクラスだから一緒にいることも少なかったけど、それでも今まで以上に一緒にいる時間は減っていた。

トモヤもミユキも、何も言わなかった。


あたし、ほんとは2人といたい。

ヒロキが遠くにいる今、近くで1番頼りたいのが2人なのに。

どうして一緒にいられないの?