“運命の赤い糸”



犯人はサクラだって分かってる。

だってその証拠に『きたな~い上靴、履いてないのー?』って言われた。


なんで?

なんでいきなり、ひどくなったの?


前は暴言を吐かれるだけだったのに。


朝早くにやったのか、誰も現場を見ている人はいなかった。

クラスのみんながあたしの靴箱や、机の中を見て、心配してくれた。

犯人がサクラだっていうのも知ってる。


だけど、誰も助けてはくれなかった。

サクラの父親が権力者って理由で、サクラに反抗できる人はいない。

自分の身の危険を侵してまで、あたしを助けるほど仲良くもない。


あたしはもう限界だった。