“運命の赤い糸”



だけど、ヒロキがあたしの家にくることはなく、幸せも長くは続かなかった。


もう少しで夏休みだというのに、サクラの嫌がらせは前にも増して、悪質なものとなった。

朝、靴を履き替えようと靴箱を覗くと、上靴が消えていて。

代わりにボロボロで泥まみれの上靴が入っていた。

どう見てもあたしのじゃない。


自分の上靴を探すと、近くのゴミ箱に捨てられているのを見つけた。

大きな“死ね”という文字と共に。


あたしはため息をついて、そのまま何も履かずに事務室でスリッパを借りた。

こんなことが毎日。


更に、学校に置いたままの教科書やノートには、落書きと破られた跡。

仕方ないから、ミユキに教科書を借りた。