“運命の赤い糸”



あたしが明るい声で言うと、ヒロキは『そっか』って優しく呟いた。


「もうすぐ夏休みだね」

『そうだなー。早く会いたいな』

「うん…そうだね」


会いたい、会いたいよヒロキ。

夏休みなんて待てない。

今すぐ会いたい。


『でもさ、俺そっちに家ないから、あんまり長居できないんだよな』

「それなら、あたしの家いていいよっ!」


ヒロキがずっとそばにいてくれるなら、いくらでもあたしの家にいていいよ。

それぐらいヒロキが好き。


『ほんとに…いいのか?』

「うん。全然いいよ」

『じゃあ、お言葉に甘えようかな』


夏休みになったら、ずっとヒロキと一緒にいられる。

嬉しくて、自然に笑みがこぼれた。