結局、一睡も出来ず昼になった



光星はまだグッスリ寝ている。


落ちかけの毛布をかけ直した時




インターホンが鳴った。



―もう!
光星起こしちゃうじゃん!―



急いで玄関に向かいドアを
開けると



『翔太……』

―蘇る恐怖で体が動かない―


『よう!今日休みだと思って、
中入っていたい?話したい
ことあるんだ』



『中は無理。話ならここで…』

こんなとこ
光星に見られたくない。



『なぁ、やっぱ俺さお前じゃ
なきゃダメだわ…
離れてみて気付いたよ』



『ごめん…もう無理。あたし―』

言いかけたとき、翔太が何か
見つけたらしい。



『なあ、陸?もしかして男
いる?この靴、どう見ても
男もんだよね?』



翔太が怒り始めてきたのが
わかった。

今まで散々見てきたから…



『ごめん…言えない。もう
翔太と戻ることはないから』