「翔って鈍感なんだね。」
睨みつけられていた視線が呆れたような顔になった。
俺は鈍感じゃない。だって
「郁美に好きな奴がいるだろうから勘違いしないようにしたんだよ。」
そうだ。俺は郁美に変な噂がたたないようにしたんだ。
一週間前、俺のところにやってきた郁美は、なんだかどーでもいいって口ではいってたけど、本当はうらやましそうにしていた。長年の付き合いだから分かる。
だからおそらく郁美には好きな奴がいるんだと思う。
どちらかというとそれに気づいた俺は敏感だと思う。
「はぁ…鈍感じゃないねたしかに。」
「だろ?」
「鈍感じゃなくて天然もしくはただの馬鹿ね。」
はぁ?なんでだよ。
「もう翔にいったって無駄だ。とりあえず郁美おっかけてこい」
「なんでお前がそんなえらそうなんだよ!!」
「いいから!」
なんだこれ、何男子の俺が女子の真央にやられてんだよ。
なさけねー。けど確かに郁美をほっとけない…真央め覚えておけよ。
「ちっ…わーったよ」
そして俺は廊下に出た。
歩いてでると、後ろから低く怖い「走れ!」って声が聞こえたので少し小走りで郁美を探しに行った。

