辰馬side








本当にくれるとは思ってもいなかった。

あんなの冗談だったのに…。

「欲しいって言ってたから…」

すっごい

嬉しい!

「ありがとう!」

ついオレはわざとらしく言ってしまった。

でも、嘘じゃない。本当に嬉しい。

オレは席について封筒の中身を覗いた。

中に入っていたのは、青、黄色、オレンジの三色のペン。

そしてメッセージカードも入っていた。

『これあげる!』

すごくシンプルな一言。

でも

自分のために一生懸命に書いてくれたと実感した。

なぜなら

このメッセージカードに字の跡がいっぱい残っていたから。

書いて消して

書いて消してを繰り返して

やっと書けた言葉。

少ない文字でも

綺麗な字で書かれたその文字は

とても愛らしく感じた。