キーンコーンカーンコーン。

門の開く鐘が鳴る。

この門を通り、みんななんて言ってくれるかな。
気づいてくれるかな。

足元のタンポポの綿毛がサワサワと揺れる。


その先には

少しゆるくした二つ結びに

透明感のある目をした少女がいた。

でもその姿は少しぎこちなくて

オロオロしていて

でもまっすぐに目を前に向けていた。

「あれ?沙月?沙月じゃん!」

「あっ。おはよー薫…」

「メガネなーい!髪型かわいー!どうしちゃったの一体?」

「変…かな…。」

「ぜんっぜん変じゃないし!むしろかわいい!メガネ外した方が良かったな!明日もこれでこいよー!」

良かった…。

変じゃないみたい…。