あの2人をここから逃がしたことに安心していたら男に頭を掴まれて壁にゴンッと押し付けられた。
頭に鋭い痛みが走った。
「邪魔しやがってこのガキ!」
あと1人残ってたんだった。
ポタポタと血が頬を伝って流れ出す。
とりあえずこの状況をどうにかしなきゃと思いっきり足を振り上げると私の足は男の股間にクリーンヒット。
「うっ」
と男が怯んだ隙にバックを持って退散っ!
だけど頭を打ったからか、それとも血が不足しているからなのかフラフラして上手く走れない。
ガシッ
ヨタヨタと歩いていると誰かから肩を掴まれた。
さっきの男かもと振り返るとまったく知らない人。
「お前、大丈夫か?」
サラリーマンなのかスーツを着ているその人は心配そうに私の顔を覗き込む。
そこでプツンと意識が途切れた。
