さっさと帰ろうと再び駅へ向かおうとすると路地の方で鈍い音と男の笑い声、女の悲鳴が聞こえてきた。
路地を覗くと1人の男が三人の男に囲まれ、女は三人の内の1人に拘束されていた。
男は一発殴られたようでヨレヨレとした足取りで立ち上がった。
「さっさと金出せよ。そしたら解放してやるぜ〜?彼女さんは返さねぇけどなぁ」
ヘラヘラと笑っている男。
「お前らに出す金なんかねぇよ」
「何だと?格好つけてねぇで金出せや!」
男が二発目の拳を振り上げた。
だが。
ガシッ
「今時かつあげなんて古いんじゃない?」
私は男が拳を下ろす前に男の腕を掴んだ。
「何だぁ?ガキは引っ込んでろ」
「黙れよ時代遅れ」
「なっ!何だと!?」
「黙れって言ってんの。聞こえない?」
「ゴフッ」
鳩尾に入れた私の拳が綺麗に入って男が咳き込む。
次に女性を拘束している奴の顔面に右ストレートを決めると男は後ろへ倒れていった。
「早く彼氏連れて逃げて」
「でもっ!」
「あんたらがいた方が面倒なことになるの!早く」
女性にきつくそう言ったら涙目になりながらも頷き彼氏を支えながらその場を後にした。
