「お前、内田 さなだよな?」 「・・・・え、名前知ってんの?」 「お、喋った!」 『ふはは・・喋ったってなによ。 人間なんだから喋るに 決まってるでしょ。 あははは・・・』 「そんな笑うとこ? てか笑った! すげーなんか感動! ・・・てか今度は泣いてる?!」 「・・・う-・・」 男の人の前で泣いたのは 初めてだった。 お父さんの前でさえ 泣くのが怖かった。 小さな頃のぶたれた記憶は 高2になった今でも鮮明に残っている。 反動的に南雲くんの手を 払ってしまった。