そんなふうに思いながらまた数日が過ぎたある日の授業中のこと
ポンッ
机の上にメモ帳を小さく折った紙が後ろの方から飛んできた。
手紙!?
急いで広げると愛水ちゃんからのメッセージだった。
内容は恋バナ。
内容じゃなくて前まで回ってこないんだろうと思っていた手紙が回ってきたのがとっても嬉しかった。
『好きな人いるー?』
担任の先生の目を気にしながらも急いで返事を書いて愛水ちゃんの机に置いた。
『いなーい!あいみちゃんはいるの?』
愛水ちゃんは私の左斜め後ろなので投げる必要がなく命中力がない私にとって好都合だった。
それから愛水ちゃんと手紙の交換が続いた。
『いるよー』
『だれ!?』
『ひみつ!!』
『お願い教えて!!!』
『りんなちゃん気になりそうな人とかいないの?』
『びみょー』
『それ教えてくれれば教えてあげる』
『えー ふーたとか・・?』
ふーたというのは椎名 楓太(シイナ フウタ)の事で背が低めの可愛い系の男子のことで楓太は頭も良くて運動神経も良い。
『まじ!?うちはねーとうやとか・・』
『おお!とうやのどこが好きなの??』
『面白いとことかいろいろ!!』
『確かにとうや面白いよね!お似合いだよー(´ω`*)』
『そうかな?ありがとう。顔文字(?)可愛い!!』
『(´^ω^`)フフ←これわー??』
『不気味!でも可愛いかもー』
だんだんと恋バナから話がそれてって顔文字の話となった。
その日の授業は6年生になってから初めて楽しいと思った授業だった。
なぜならば、手紙交換ができたから!!
班長さんには感謝してもしきれないくらい!!!
これからもっと仲良くなっていけるといいな♪
それからしばらくして授業中に愛水ちゃんだけでなく、花音ちゃんとも手紙交換をするようになった。
『りんなちゃんって好きな人いるのー?』
愛水ちゃんと手紙交換して気になる人を『ふーた』と答えたあの時から、楓太を好きな人としようと決めた。
『まあね!ちょっとなやみちゅーだけど』
『だれ!?』
『もうすぐ修学旅行だしホテルで教えてあげるよー!!』
『ほんと!?絶対教えてね』
『うん!花音ちゃんはいるの?好きな人』
『びみょうかな?』
『気になってる人でもいいんだけど!なりかけでも!』
『いるっちゃあいるかもね』
『教えて!!!』
『花音もホテルで教えてあげる!』
実は修学旅行でホテルに泊まることになってて1班・2班 3班・4班 5班・6班 が男女別々で同じ部屋に泊まると決まった。
だから愛水ちゃんと花音ちゃんとも同じ部屋なのだ。
マジ最高!!!!!!

