そしてやっと修学旅行の班が決まったようで、ひなのちゃんが帰ってきた。

「同じ班だよ。」

いつもと変わらない表情でそう告げるひなのちゃん。

ひなのちゃんは誰とでも良かったんだろうな。

でもこの時ひなのちゃんが私を班に選んでくれた事で小学校生活最後の思い出ができたの。

「やったあ!!ありがと!!!」

にっこり笑って返す。

ひなのちゃんと上手くできるかな?

あんまり仲良くないんだけど・・ちょっと心配かも。

班はどの班も女子2名で
男子は2名のところもあれば3名のところもある。

他のメンバー気になるな!!!

「あと誰?」

「龍太郎と瑞希だよ。」

その時私が仲良い男子は龍太郎と、たか(たかふみ)くらいしかいなかったので、班を決める前に男子の事をひなのちゃんと話した時に「できれば龍太郎を」と言ったのだ。

その頃の私は龍太郎の事がちょっと気になってた。

顔はタイプじゃないけど性格がちょっと好きだった。

面白い事を言おうとしてしけた事は今までかなりあったけど、私を楽しませてくれたことがある。

その時だけはつまらない時間を少しだけ忘れることができたので龍太郎には少しだけ感謝してる。

瑞希というのは児玉瑞希(コダマ ミズキ)のことで、瑞希とはあまり話したことがなかった。
瑞希はぽっちゃり体型で顔がまんまるで、ほっぺたがぷくぷくそうな感じの外見で、大福みたいだと思った。

優しそうな感じの男子だな、と班にちょっと安心してた。

それから決まった班の席に席替えすることになり、私達は3班なので2号車だ。

絶対に隣が男女と同姓になってはいけないので、ひなのちゃんは1番前で私は2列目になった。

なんと4班はあの憧れの愛水ちゃんと花音ちゃんの班で、この時私は3班と決めてくれたひなのちゃんと4班と決めた愛水ちゃんに感謝した。

席も近いしこれがきっかけで2人と仲良くなれるかもしれない!!!

それから期待通り愛水ちゃんと花音ちゃんと私の距離はだんだん縮まってきた。

でも2人の仲に入る事はできなかった。

それは分かってた事だけどやっぱり私は誰かの1番目にはなれやしない。



そしてそれから数日後の授業中に気づいた事。

愛水ちゃん・花音ちゃん・なっちゃんで手紙交換してる事。

この手紙交換をしてる姿を見るたびに悲しくなった。

私には手紙を回してくれないのかな?と何度も思った。

でもそれから数日、手紙が回ってくる事はなく愛水ちゃん達とはやっぱり仲良くなれないのかなあ?ともう諦めかけてた。

それから前よりはマシだけどつまらない日々が続く。

3班になって愛水ちゃんや花音ちゃんとの距離が縮まった時はかなり嬉しかった。

でもその距離はほんの少し縮まっただけで前とあまり変わらないような気がした。