多分あれが人生最初のちゃんとした恋だった。


2011年4月7日

足立 凛奈(アダチ リンナ)、私は小学6年生となった。

いっぱい思い出を作りたい気持ちがあり過ぎたけど、その頃の私は良い思い出ができる自信が全然なかった。

なぜならば、今年度から学区が編成され、転校してきて仲の良い友達もいなかったからだ。

一緒に転校してきた友達ともあまり仲が良くない。

転校初日

視聴覚室という場所に6年全員が集まり、T小(私の前の学校)から来た人は先生の指導で台の上に上った。

H小(私の今の学校)の6年生ほぼ全員の視線が注がれ緊張する。

私は人前が結構苦手で学習発表会のようなもので、
大勢の前に立ったら震えるし、声もいつもよりかなり小さくなる。

台の上で眼鏡をかけた歳がちょっといっているような先生からクラスが書いてある紙が1人ずつ渡された。

できることならば1・2年生の時にT小でちょっと仲が良かった石田 宥奈(イシダ ヒロナ)と同じクラスになりたかったが、ひろ(宥奈の事をそう呼んでいる)は1組、私は3組となった。

T小からきた人で同じクラスの女子は、隣の家に住む小さい時に少し一緒に遊んでいた、三浦 菜月(ミウラ ナツキ)しかいなかった。

なっちゃん(菜月の事をそう呼んでいる)はあまり顔が可愛くない訳ではないが、ブスという訳でもない標準の顔だ。
見かけで判断するのは悪いが性格がキツそうな顔だ。