でも、露骨にでも、車両を変えたくなったのは、そのせいじゃない。

彼女は、すぐに私の息子を隅々まで眺め回した。

値踏みしているのだ。

そして、

「貧相な服~」

と、ケラケラ笑い出す。

恐ろしく、非常識だ。

だいたい、貧相な服など着ていない。

息子は男の子らしく、あまり服に興味がない。

私も、あまり服にお金をかけたくない。

だから確かに高いものは着ていない。

しかーし、この服はヘビーローテーションや、過酷な洗濯環境にも果敢に耐えている。

着古した感のほとんどでない、素晴らしく、良い服だ。