「…大丈夫、ですか?」
息も絶え絶えな兵士にこんなこと聞いてどうする、
と心にツッコミを入れながらも兵士の怪我の辺りに触れる。
その瞬間………
フワッ
オレンジの光が
兵士を触れてる私の手に宿る。
温かく、柔らかい光。
驚いてる私を余所に、
またも周りがざわつき始めた。
陛下やオルはなにも言わず
キリを見つめていた。
「な、なにこれ…」
オレンジの光が宿った手のひらを動かすと、怪我があった場所が治っていた。
「……あれ?」
確かにあったはずの怪我が…
おかしいな、と思いながらも
他の怪我にも触れてみる。
すると一瞬オレンジの光が瞬き、
次の瞬間には怪我は治っていた。
「ええええ、なにこれ……!」
オレンジが宿る手のひらを見つめてると、
「う…」 と兵士の声がした。
「あっ…起きれますか?」
そう訪ねると兵士はうっすら瞳を開け、体を起こし始める。
「あれ…俺は……あなたは?」
「え、えっと、私は…
それより、具合はどうですか?」
「………ああ、大丈夫。体が軋む…が」
起き上がった兵士は目を丸くしていく。
破れ血みどろになってる服を
身に付けてるのに、
怪我らしい怪我は何一つない。
驚きながら兵士はバッとキリを見つめる。
キリはビクッとしながらも
尚も心配そうな目で兵士を見ていた。
