「どうしよう…1位、もう無理かな。」
「大丈夫だよ、まだオレと中村がいるから。皐月も頑張って走ってるじゃん」
バトンは皐月の手に渡り、皐月が懸命に走っている。
でも、ひろがらないけど、差は縮められてない!!
「第3走者位置に着いてください」
係の人が呼んでいる。
「ほら呼ばれてるぞ、行って来い。」
裕也が笑ってる。
それだけで私は、勇気をもらえるんだ。
指定された位置に着く。
だんだん皐月が近づいてくる。
順位はさほど変わってない。
大きく息を吸って目を閉じる。
あの感覚を思い出すんだ。
目をゆっくり開いた。
「美桜、ごめんっ」
そう言って渡されたバトンは意外と冷たかった。

