初恋のキミへ。


「七名家と謳われる家柄の一つ。財閥を成し、金融業を基盤に学校、ホテルを経営している七瀬財閥。」

「その七瀬財閥総帥、七瀬 由紀(ななせゆき)の一人息子の七瀬裕也。」

「そして、咲耶ちゃんのお父さんが経営しているKIXは今、倒産寸前。ここまで言えば美桜にだってわかるでしょ?」


えっとつまり、
裕也を利用して七瀬財閥に取り入ろうとした…ってこと?

裕也ってお金持だったの!?
KIX倒産寸前だったの!?

驚くことが多すぎて、頭がついていけない。


「あんたが負ければ私が、七瀬くんに告白して、KIXを立て直せると思ったのに…お前のせいだ!!」

敵意むき出しの顔で咲耶ちゃんがこっちを見ている。

私やっとわかった
なんで負けなかったか。
きっと、それは…

「そんな考え方してる奴なんかに、負けたくなかったんだよ!!
あんたのせいあんたのせいって違うでしょーが!!
そんなことしなくても告白しちゃえば良かったのに、なんでしなかったの!!
お前は自分から動いたことあったのかバカ野郎!!」

一気にまくし立てたから、息が切れ切れだ。
咲耶ちゃんは私の剣幕に驚いたのか、ぽかーんとした顔をしている。


パチパチパチパチ

後ろからまばらな拍手が聞こえる。