初恋のキミへ。


「美桜ー!!」

向こうから手を大きく振りながら、葵が歩いてくる。
その後ろから、皐月と伊吹、理玖までもが追いかけてくる。

「あんた最高っ!!」

葵にがばっと抱きつかれた。
その衝撃で少しよろける。

「葵、前から抱きつかないで…」

「あっごめん。つい…」


「お前ら気が早すぎだろ…まだリレーあるんだぜ?」

あきれたように裕也が見る。

「大丈夫!!今なら勝てそうな気がする!!」

本当かよって笑う、この笑顔が好きだ。
いつもの笑顔で笑ってくれて嬉しい。

「そういえば咲耶ちゃんは?」

謝らなきゃいけないことがある。

「「咲耶嬢ならあそこに」」

皐月と伊吹が指を指したほうを見ると、咲耶ちゃんは俯いていた。
慌てて咲耶ちゃんに、駆け寄よって咲耶ちゃんと目線を合わせようとする。


「なんで、なんで…なんで負けなかったのよ!!」
咲耶ちゃんも体が震え始めたと思ったら、いきなり大きな声で怒鳴られた。
すごい態度の変わりように、すこし驚いたけど、まあいい。

今はだれもこっちに注目してる人はいない。

「ごめんなさい。」
私は頭を下げる。

「よくわかんないけど、裕也の声を聞いたら、つい…」

「ハア?意味わかんない!!あんたのせいで、私がどうなるか知ってるの!?」

そんな大事なことだったのか…
知らなかった…


「「俺らは知ってるよー」」

「私も知ってるー」

後ろから、3人の声が聞こえる。