初恋のキミへ。


「美桜っ!!」

最後のパス。

ごめんね、咲耶ちゃん。
私、やっぱり好きだ。
無視することなんて、できない。

思いっきり、敵を避けながら、仰け反りながら、ボールを投げる。

入れ…
入れ。
入れ!!!!

ボールは空を切り、ゴールへと―――

吸い込まれていった。


そして、一瞬遅れて、声が、声が、一つずつの声が、鳴り響く…


「「「「ウオオオァァァ!!!!」」」」

大地が唸る。
ゴールが揺れる。
ゴールをくぐったボールが、地面へと落ちる。

≪試合終了!!B組の勝利イイ!!!≫


私は力が抜け、へたり込んでしまった。
裕也がズカズカとこっちに向かってくる。
怒鳴られるか、と思いきや優しい顔をしていて、私の頭の上に手を置いた。

「よくやった!!」
裕也は、私の頭を乱暴に撫で、髪の毛をくしゃくしゃにする。

「裕也の声、ちゃんと私に届いた。頑張れっ頑張れって、私のところに来たよ。」
言葉を続けようとするも、これ以上喋ると泣いてしまいそうだった。

「裕也…ありがとう」
目頭が熱くなって、裕也の顔が涙で歪む。

「涙は優勝したあと、だろ?」

「…うん!!」

裕也は私の腕をつかみ、乱暴に引っ張って私を立たせた。
ジャージについた砂を払う。