≪これから第3Qを始めます。攻めるバスケットを相手チームと交換してください。≫
たくさんの悩みを抱えながら、試合は始まった。
「美桜っパス!!」
飛んできたボールは私の左手に当たり、落ちてしまった。
「ごめん…」
走りながら謝る。
「大丈夫!!ドンマイ!!」
第3Qが始まったころから、ずっとこんな感じだ。
集中できない。
いらないものが頭によぎる。
シュートをしても、入ったりはずしたり。
マークもきつくなってきた。
ピー
試合終了の合図がなる。
≪第4Q終了です。両チームの得点が同じなので、延長戦を行います。これから、2分間のインターバルです。≫
「どうしたの美桜?前半のキレがないよ?」
「ごめん…」
その瞬間、大きな歓声が聞こえた。
その方向を見てみると、裕也がスリーシックスティを決めている。
しかも、ブザービートだ。
思わず、見惚れてしまう。
あっ咲耶ちゃんだ。
咲耶ちゃんも、裕也のことを見ている。
『得点が他の球技に比べて多く入るから、観る者を楽しませる派手な球技なんだ。バスケっていうのは。』
裕也の声が頭で響く。
「とりあえず、延長戦は、美桜にボール集めるから」
「う、うん。わかった」

