私は伊吹の制服の裾を引っ張る。
「伊吹っ裕也を起こしてほしいんだけど!!」
「えー美桜が起こせばいいじゃん」
「お願い!!」
ったくしょーがねぇな、と言いつつも伊吹は裕也を起こしてくれた。
「おい起きろ裕也。隣に教科書見せてやれよ。」
「ああ?オレの隣は理玖だぁ…」
「そっちじゃなくて、反対の隣!!転入生!!」
裕也は寝ぼけたまま、大きな伸びをしながら隣を向いた。
「お前だれ?」
裕也が冷たく言い放つ。
「だからぁ――…あれ?あんたの名前なんだっけ?」
「木花咲耶です…」
皐月も裕也に負けず劣らず失礼だな。
「どうぞ教科書。一人で見ていいよ。オレ、理玖と見るから。てゆうかさ、今度からそっちの隣りに見せてもらえば?」
「あ、ありがとう…」
裕也がしれっとした態度で言うから、木花さんの目に次々と涙が浮かぶ。
ついには目から零れ出してしまった。

