それにつられて私も笑った。
あのときと同じ言葉――――。
死にたいとばかり思っていた私を病院から連れ出した葵は、ひたすら走り続け、校区外の見たこともない場所で足を止めると、すっきりとした凛々しい顔で言ったのだ。
―――――世界は広い。遠くまで逃げれば、なんとかなるでしょ
私たちは笑い続けた。
鳥の鳴き声がおかしくて、
目の前を通り過ぎるカップルの身長差がおかしくて、
欠けたベンチがおかしくて、
笑い続けた。
「で、裕也になんであんなこと言ったの?」
葵に痛いところを突かれた。
胸が痛い。
「正直に言って。変な誤魔化しは通用しないよ。」
「…ただ、この同じ空の下に彼も変わらず生きているという事実がすごく苦しく感じたの。本当によくわかんないの…ななせが消えていくかもしれない。ななせの!?ななせじゃないの!?ななせじゃないんでしょ!?なのに、なのに…自分の気持ちもわからないよ」
わからない
私には、わからないよ。
ねぇ
私はどうすればいいの?
誰か
教えて下さい。

