初恋のキミへ。

+裕也side+



ハァ
まだ今日が始まったばかりなのに、何回溜息ついたかわからない。


「そんなに溜息ついてると、幸せが逃げるぞー!!」

理玖が勢いよく肩をどついてくる。
今日に限っては、理玖のことがすごくウザく感じる。


「グッモーニン美桜ちゃん!!」
「理玖、おはよ」


そんな会話が聞こえてきた。

正直、今、美桜に会うのはキツイ。


「裕也ちょっといい?」

「なに?」

「今から、私から裕也に話かけたりしない。一緒に行動したりもしないし目も合わせない。だからさ、裕也も、もう私に関わらないで。」


「は?」

その一言が精一杯で。


「えっちょ意味わかんないんだけど美桜ちゃん。」

「ごめんね理玖。」

「いや、ごめんね、とかじゃなくて。どしたの?いつもの美桜ちゃんらしくないよ」

「そうそう。裕也のこと嫌いになった?」


周りでなにが起こってるか飲み込めなくて。
俺は観客で、それ以外は俳優。
他人事みたいというか他人事で。


でも確かに、オレのなかには
疑問と傷ができていて。


「うん。嫌い、大っ嫌い」


中村の言葉で、
傷がえぐられて。
中村の言葉が、
凶器にしか感じられなくて。



理玖たちがまだ騒いでいたけれど、それは右から左へと流れた。


――もういいや

昨日、杜山の話を聞いてから、悩んで悩んで悩みまくったから、寝むれなかった。

中村のことを考えるのもめんどくさいし、今のことは寝て忘れるし。

多くの声が耳を掠めるなか、俺は深い深い眠りについた。