“重い十字架”か…
俺は、あれが誰だったのか、だいたい想像がついた。
たぶんあれは…
俺の前世だ。
「杜山、話あるんだけど。」
「なに?」
みんなが戻ろうとしてる中、俺は杜山を呼びとめた。
「あいつってさ“ななせ”って名前じゃないか?」
「…どこまで知ってるの?」
「ほとんど知らない…けど、あの写真のやつは、俺の前世だ」
「前世ときたか…前世って、何年後かに生まれてくるものじゃないの?年が同じっておかしくない?まあ、その目を見たら信じるしかなさそうだけど。」
「信じてくれてありがとう。“ななせ”について、聞かせてほしい。」
中村がなんで泣いてるのか
過去になにがあったのか
それは“ななせ”に関係してるのか
俺に…似てるのか?
「別にあんたのためじゃないし。本当は、美桜本人から聞いてほしかったんだけどな。仕方ない。美桜を救えるのは、七瀬、あんたしかいなさそうだよ――――――」

