あたしは空が見たくなって、屋上に行った。

そこには、先客がいて。


「皐月?どうしたの?」

私は、皐月のとなりに座った。


「ブッブー俺は伊吹で~す」

「ううん。外れてないよ。よく似てるけどやっぱり違う」

「…お前スゴイな。俺らを見分けられる人って親ぐらいだぜ。」


それから、なんとなく無言になって、静かに共に時を過ごした。


「なんか悩みでもあるのかい?つーか別に気にすることないじゃん。0点なんてある意味すごいよ。」

突然、皐月がしゃべった。


私も、前までそう思ってたよ…

でも、実際とってみるとね…


「そっかな」

「うん。得意不得意があるのは当然だし、得意なこと頑張ればいいじゃん?」

「皐月ってさ、不得意なものってあんのかな。苦手なものとか、嫌いなもの。」

「オレぇ?」

「あんまりないでしょ」

「あるよ」

「うそだ。どーせ悩みなんてないくせに。ズルいよ。」

「あるある。女にモテ過ぎちゃうこと」