初恋のキミへ。

「えっあの、えっと俺は、そのぉ通りすがり?うん、そう!!通りすがり!!誰か寝てるな~と思って、近づいたら、お前が起きたんだよ!!」


高校生ぐらいの男子が、焦るように答えた。


「私に抱きついたりした?」


「へ!?抱きついたり!?し、してないしてない。するわけないじゃん!!」


やっぱりさっきのは夢だったんだ…

でも、私“ななせ”ってこの人に言っちゃった…


「私が言ったこと、気にしないでね。」


「ななせって呼んでたこと?俺の名前知ってるんだと思って、びっくりした」


この人もななせっていうんだ…

そんな奇跡みたいな偶然ってある…?


違う人だけど、やっぱりずっと会いたかったから

ななせに会ったような感覚になってしまう。


やばい…

また泣きそう。

我慢できないよ。



涙が、これぼ落ちる瞬間、私は走り出した。

後ろから聞こえる制止を振り切って。