+美桜side+
私の頭を一回撫でたあと、海に向かって走り出した。
裕也は微笑んでた。
その笑みはとても柔和で、穏やかだった。
その笑みも、走っていってしまった後ろ姿も、よく似ていた。
裕也
裕也
裕也
裕也…
七瀬、裕也
ナナセ、ユウヤ
ななせゆうや
ななせ…
ななせ
ななせ
ななせ
「ななせっ!!!!」
力の限り叫んだ。
周りの人の視線を感じたけど、そんなもの気にならない。
「ななせっななせ、ななせ、ななせ!!」
必死だった。
呼び続けないとななせは、いなくなってしまう、ような気がして。
「なな…せ…」
地面にむかって叫び続ける。

