コウさんの話を聞いても俺は
いまいち実感がわかなかった。
蒼空がそんな風に過ごしてたなんて。
「なんでコウさんは止めないんだよ…」
「父さん達をか?」
「アンタ蒼空を守るって俺に
言ったじゃねぇのかよ!!」
「それを言われると耳が痛いな…。
俺だって守りたいよ。でも
蒼空が父さん達を止めようとする
俺を止めるんだよ」
コウさんの話は続く。
「父さんは俺が卒業したら
父さんが蒼空のお陰で
創った自分の会社に入社
しろと言った。
俺までが蒼空の犠牲の上に
立たないといけない。
それだけは死んでも嫌だ。
俺はそう父さんに告げたが、
父さんはこう言い返した。
入社しないなら蒼空を
また家に戻す。