『蒼空、暴力振るわれてんだって?』
『…』
『それ、ウチがどうにかしてあげる』
その時すでに高校生だった蒼空達。
那々には彼氏がいた。
その彼氏が那々に暴力を
振るっていたんだ。
『それ、父さんが知っちゃってさぁ。
もぅ大激怒!!でも別れてくれないって
言ったら父さんから提案あってね…』
蒼空を身代わりにすればいいって。
『そんなこと、蒼空の父さんが許す訳
ないじゃんって言ったら、出世
させてやったら許すっていうから』
那々の親父の読み通り、
蒼空が那々の身代わりに
なることを簡単に許した。
茶髪のウィッグをつけて、
少し濃いめにメイクをすれば
誰も蒼空が那々に変装しているとは
疑わなかった。
そして暴力を振るっていた
那々の彼氏も疑わなかった。
