出発の日。 とうとう蒼空とは 口をきかないままだ。 「んじゃ、行ってくるわ」 父さんと母さんに隠れるように 蒼空は立っていた。 …ちくしょう。 このままさよならとか 俺が許さねー。 「おい、蒼空」 蒼空はびくっと肩を揺らして ちらっと俺の方を見た。 「…学校、頑張れよ」 俺の精一杯の言葉だった。 言いたいことなら山ほどある。 でも全部伝えたらいけない言葉。 俺達は兄妹だから。 伝えたい言葉は伝えたらいけない言葉。 叶わない恋。 ま、それもいいか。