「今日学校休んじゃおっか」
唇を離したコウが言う。
まだ鼻と鼻はくっついたまま。
私はコウの顔を離して
頬にガーゼをあてた。
「駄目」
「何だよけち」
そう言いながらコウも支度を始めた。
コウは私が何処にいても見つける。
昨日だって私の記憶の中では
公園で倒れたはずなのに
気づいたら家にいた。
コウだけは私を離さない。
半分、とはいえ兄妹。
でもキスもする。
時々それ以上だってする。
お互い繋がってなきゃ不安なんだ。
訳あり人間は同じ境遇の人間にしか
すがれない。
私達はきっと鏡なんだ。
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